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「ビアガーデンでケーキ食べる男の気がしれないわ」
イライラを隠そうともしないで、タバコを燻らせる友達が言った。
「そういうお前だってさ、もりもりと枝豆貪ってたんじゃねぇの? こう、ジョッキを逞しく掴んでさ」
「そういうお前だってさ、もりもりと枝豆貪ってたんじゃねぇの? こう、ジョッキを逞しく掴んでさ」
「あんた、ひとのデートに付いてきてたわけ?!」
「ちげーよ。想像できんの」
オレは友人として、こいつのそういうところが好きだ。
「ビールの苦みと炭酸の爽快感、そこにスイーツなんて、空気読まな過ぎでしょ」
「食べたかったんだから、スルーしてやればよかったじゃん」
「い、や」
「目の前で!男に!甘いもの食われたら萎えるの!」
「俺はお前の発言に萎える」
「文句あるならケーキ返して」
「冗談じゃん」
慌てて俺ゾーンにケーキを保護した。
「豆ってさ、あと引くよな」
次々男を替える恋愛をするこいつだって、本当はたった1つが欲しいんだ。
今だって別れたばっかりで寂しくて、ろくに吸ってないタバコに火をつけては燃すだけ。
オレの顔を見て、へなへなって玄関に座り込んだみたいに、
玄関で引っくり返したケーキの箱みたいに、
言えればよかったのにな。
”甘えたい気分”だって…
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