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とてつもなく頭が重いと感じたオレは、帰って早々に刃物を取り出した。
「なにすんの」
暇だからと付いてきた友人が、右手に包丁、左手に髪の毛を持ってるオレに言った。
「うっとうしいから切る」
「馬鹿じゃね? せめてこれにしろよ」
遊びの道具しか入ってない鞄から、カッターナイフを差し出した。
「こわ! オレのこと刺さないでね」
真顔で冗談を言うと、
「刺さって深く入る前に折れるから平気だって」
「問題はそこじゃない」
ともかく受け取って、ざんばらが目立たない程度に切ったけど、切れ味が悪くて痛かった。
「急にどうしたんだよ」
ギチギチと刃を閉まって、友人が理由をきいてきた。
「モトカノの夢見ちってさ、うぜえから切りたくなった」
「モトカノじゃなくて自分の髪切るのっておもしれぇ」
どうとでも言え。
あいつにはもう会わない。
だから、あいつが好きだと言ったものを捨てたかったんだ。
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