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「げ、ここもかよ」

やっとの思いで部屋に帰り着いた俺は、すっかり夜のネオンに支配された街の隙間で一人ごちた。
傷は絶えず生まれ、消えかけてはまた生まれる。
医者にかかる気などさらさらない。だいたい金が無い。
大概市販薬で治るか、骨を折った時だって、多少歪んでいるが不自由なくくっついた。

「寝てりゃーいんだよ」

傷を負えば舐めて、内側ならひたすら休める。
それが、本来の動物の生き方だ。

学はサンプルの上にある。
俺だって、前は医学科学化学勉学に頼って、何かあるとすぐ、生に直結することに執着してた。
止めたのはある日の夜。部屋のベランダから、酔っ払いが異物を払うように吐いてるのを見たら一瞬で冷めた。
もし、あいつがあのまま倒れて病院に運ばれたら、何をされるんだろう。
俺の中で、もし、が幅をきかせてきて、終いにはこっちまで吐いた。

俺は、不安を追求するのを止めた。
正確には、他人に任せるのを止めた。
自分の痛みは、自分だけが知ってればいい。
今生きてる奴らは、沢山の涙や痛み、屍の上にいる。
でもさ、悪いけど俺は、このまま朽ちてもいいんだ。

だから、お前は何も知らなくていいんだよ。
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