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~ 7/7 birthday ~(@夕七)
海外遠征の合宿中は、携帯使用禁止。
言わずもがな、ホームシックにかかられてはメンタルを鍛える意味が無い。
それは所属するバレー・チーム「グリフィス」の掟。
とはいえ、かろうじて公衆電話の使用は認められている。
自分の誕生日を祝ってもらう為に、時差も我慢して、真夜中を過ぎても起きているのをよしとは思わないが、声は聞きたい。
眠気に囚われて無言になっていても、回線を通して空間が繋がっていることだけで幸せだと思えるから。
『夕七、お誕生日おめでとう』
「サンキュ、リオ。・・・明日学校だろ? もう寝ろよ」
『せっかく話せたのに?』
微かに声が遠く近くなって、きっと目を擦りながら携帯を手にしているのだろうと想像できる。
「最初に祝ってもらえただけで嬉しいから」
『そう・・なんだ』
「そ。明日には日本に帰るし、すぐ会える」
『だね!』
嬉しそうに言ってくれる声が、相手には見えなくても笑顔を作る。
『じゃあ、またね』
「うん。・・・リオ、」
『ん?』
「リオ、・・・・・あ」
*
ツー・ツー・・・・と、突然国際電話が切れた。
「切れた」
”あ”の後が何だったのか気になるが、かけ直すこともできずに理生は携帯を閉じた。
*
「ヒナさん何すんですか!?」
後ろから手を伸ばして電話を切られた夕七は、振り返って先輩の朝比奈に噛み付いた。
「フフン♪ ガキが愛を語ってんじゃねぇよ」
電話ボックスの入り口に手をかけて、無駄にカッコイイプロのアスリートが苦言する。
「! っ、そんなのしてません」
夕七がガチャン!と音を立てて受話器を置く。
「じゃあ言ってみろ、”あ”の後に何を言うつもりだった? ん?」
朝比奈が長身を折って無駄に顔を寄せて聞くが、夕七は赤くなる顔を伏せて乱暴にボックスを出ると、
「戻ります!!」
と早足に行ってしまった。
「HAPPY BIRTHDAYには早い☆」
朝比奈が、片側の口角を上げて呟いた。
言わずもがな、ホームシックにかかられてはメンタルを鍛える意味が無い。
それは所属するバレー・チーム「グリフィス」の掟。
とはいえ、かろうじて公衆電話の使用は認められている。
自分の誕生日を祝ってもらう為に、時差も我慢して、真夜中を過ぎても起きているのをよしとは思わないが、声は聞きたい。
眠気に囚われて無言になっていても、回線を通して空間が繋がっていることだけで幸せだと思えるから。
『夕七、お誕生日おめでとう』
「サンキュ、リオ。・・・明日学校だろ? もう寝ろよ」
『せっかく話せたのに?』
微かに声が遠く近くなって、きっと目を擦りながら携帯を手にしているのだろうと想像できる。
「最初に祝ってもらえただけで嬉しいから」
『そう・・なんだ』
「そ。明日には日本に帰るし、すぐ会える」
『だね!』
嬉しそうに言ってくれる声が、相手には見えなくても笑顔を作る。
『じゃあ、またね』
「うん。・・・リオ、」
『ん?』
「リオ、・・・・・あ」
*
ツー・ツー・・・・と、突然国際電話が切れた。
「切れた」
”あ”の後が何だったのか気になるが、かけ直すこともできずに理生は携帯を閉じた。
*
「ヒナさん何すんですか!?」
後ろから手を伸ばして電話を切られた夕七は、振り返って先輩の朝比奈に噛み付いた。
「フフン♪ ガキが愛を語ってんじゃねぇよ」
電話ボックスの入り口に手をかけて、無駄にカッコイイプロのアスリートが苦言する。
「! っ、そんなのしてません」
夕七がガチャン!と音を立てて受話器を置く。
「じゃあ言ってみろ、”あ”の後に何を言うつもりだった? ん?」
朝比奈が長身を折って無駄に顔を寄せて聞くが、夕七は赤くなる顔を伏せて乱暴にボックスを出ると、
「戻ります!!」
と早足に行ってしまった。
「HAPPY BIRTHDAYには早い☆」
朝比奈が、片側の口角を上げて呟いた。
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