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「「じゃんけんぽん!」」

自主練習の帰り道、20m間隔で設置された街灯の下で、少年2人が真剣なじゃんけんをしている。


「リオ、じゃんけん位オレに勝ってよ」
「う、ムカツク~!」


13cm差の夕七を背負った理生が、上目遣いで先を睨みながら歩き出した。

”じゃんけんに負けた方が、勝った方をおぶってポール2本歩く事”

練習場から、今のところ3戦3敗・・・。


「オレが苛めてるみたいで心が痛む」
「気にしすぎ!これは練習なんだ。そう考えればいいでしょ!」
「そうやってムキになるのもリオの可愛いとこだけど」
「っ!ボクは真剣なんだから、気が抜けること言うな!」


ーーこれ以上言うと本気で起こられそうだな。

自重した夕七は、口を噤んで街灯までの距離を眺めた。


「「じゃんけんぽん!」」
「勝ったーー!!」


理生が両手を上げて1勝目を喜ぶと、夕七はスッとしゃがんで背を向けた。


「はい、どうぞ」
「何?」
「勝者への配慮」
「馬鹿にす、る、な」
「何で馬鹿?」
「しゃがんでもらわなくたって届くよ」
「うーん・・・」


夕七としては、疲れているだろう理生に優しくしたつもりだったのだが、フェミニストぶりがあだになったらしい。


「っせ! はい、よろしくね(はーと)」
「はいはい」


理生が子供のように喜んでおぶさると、将来親バカ間違いなしの夕七が可愛くて仕方がないという顔で笑った。


「そういえば明日さ、」


歩き出して数メートルした時、夕七の肩に理生の頭が乗った。
あれ? と思って顔を向けると、理生はしっかり目を閉じて眠っている。
だから疲れてるって・・・、と思いながら、夕七は心に灯る温かい気持ちを大事に抱いた。


「・・・おやすみ」


小さく言って、面倒だから自分のマンションに連れて帰ろうと1人頷いた。
理生の目が覚めたら最初に言おう、


ーー誕生日おめでとう
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